■Project
愛媛県伊予市 伊予稲荷神社 ロゴ設計(Grapchic trial)

■Analysis
愛媛伊予稲荷神社様のロゴの設計トライアルをさせていただきました。長い参道の先に、山を背負うかたちで鎮座する伊予稲荷神社。
自然の力を感じる場所でありながら、現在のロゴは良くも悪くもスタンダードな印象のロゴです。
ロゴというものはブランディング全体の行き先を示す旗のようなもの。人気漫画「ワンピース」全体を象徴している「麦わら帽子を被ったどくろマーク」のようなものです。
伊予稲荷神社の魅力を伝えられるブランディングを考察し、魅力を感じられるようなロゴを考案しました。


■Concept
神社という場所は現代の私たちとどのように関わっているでしょう。無宗教とよく言われる日本ですが、初詣、節分、端午の節句、お盆など、神道の影響を受けた行事が一般的に行われています。合格祈願や安産祈願で神社にお参りに行くことも珍しいことではありません。
インターネットがインフラとなり、AIやメタバースという技術が広まってきても、進化心理学的には人間の心のメカニズムは石器時代から変わっていないと言われています。暗闇を怖がる本能が未だ残っている私たちは、先の見えない未来や人智を超えた自然災害などに漠然とした不安を持っています。

人智を超えている漠然とした大きな不安に対して、神様という存在を通して対話できる超自然的な空間として、神社は古来より私たちの日常に在り続けていると考えました。
「神社=超自然的な希望と対話できる空間」

伊予稲荷神社では家庭を明るく祓い清め、大きな福を呼び寄せるために飾るお多福神面のお焚き上げ神事も行っていらっしゃいます。笑顔は人間の身体的なコミュニケーションで笑顔には人を幸せにする効果があると言われています。人は幸せな気持ちになると微笑みます。色々な不安を取り除かれて前向きになれる場所として、
「晴れやかなり、伊予稲荷神社」というコピーを考案しました。


■Design concept
日本では古来、森羅万象に精霊が宿っていると信じられ、唯一絶対の神が存在し、人間を裁くのではなく、あらゆるところ(山、海、川、動物、植物、空気に至るまで)に精霊=神が宿って人々を守っていると考えてられていました。日本人にとって自然と超自然的な力は非常に近い存在と言えます。

美しい自然の中にある伊予稲荷神社を表現するロゴは、自然的な要素を持つものであることが神社の晴れやかな力を伝えることができると考えました。

■Logo type Design
伊予稲荷神社の大鳥居にある大鳥居扁額には象形的要素のある甲骨文字的な漢字が使用されています。象形的なエレメントは、表現対象の形状を真似ており、自然に近い形状ともいえます。大鳥居扁額のエレメントを参考に、象形的な要素を入れることで、超自然的な力のイメージが伝わるようなロゴタイプのデザインをオリジナルで制作しました。

■Logo mark Design
ロゴマークは伊予稲荷神社神紋の三つ火焔玉をベースに設計。色というものにはそれぞれイメージ、印象があります。【県指定文化財】稲荷神社楼門の彩色豊かな三つ火焔玉の配色をマークに使用し、パワフルな印象となるように設計。

■Promotion
晴れやかな印象を作っていくために、ご参拝にいらした方の笑顔の写真を記念に撮り、その笑顔の写真をSNSに展開していくというプロモーションを考案しました。笑顔は「デュシェンヌ・スマイル」と呼ばれるホンモノの笑顔と、つくり笑顔などの「ノンデュシェンヌ・スマイル」に分けられます。本物の笑顔にはさまざまな効果があり、「デュシェンヌ・スマイルを見た後に、見た商品がよりよく見える効果」「笑顔の人を見ると気分がよくなる効果」などがあると言われています。

笑顔は動物の中で人間だけが行う身体コミュニケーションであり、笑顔そのものがパワーを持った表現とも言えます。SNSに笑顔の写真を集約することで、見た方にも「晴れやかな気持ち」になっていただき、「晴れやかな場所、伊予稲荷神社」全体のブランディングを行なっていきます。

その他、「晴れやかな場所、伊予稲荷神社」の晴れやかな印象を作っていくために、気持ちがすっきりする掃除に注目し、常にハレの場所である神社の整理整頓維持方法などを発信、企画していき、「晴れやかな場所、伊予稲荷神社」の「晴れやかな」イメージ作りを行なっていくという案を考案いたしました。